ナオフェッサーX

沈黙ーサイレンスーのナオフェッサーXのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.1
ダークな内容なのはわかっていましたが、スパイダーマンのアンドリュー・ガーフィールドとスターウォーズのアダム・ドライバーがはじめて並んだ画には思わずムフっとしてしまいました。
ムフっとできたのは、後にも先にもこの一回だけでしたが....。

隠れキリシタンという言葉を聞いたのは、小学生の頃の授業でした。
踏み絵で判断?って、それで判別できる?緩くない?って思ってしまうくらい当時は宗教に対して熱心な人の気持ちなど理解できるわけもなく、かといって、今もそこまで宗教に対しての熱心なモチベーションって何処から湧き上がって来るんだろうという気持ちが強いんですよね。きっと真面目なんでしょうね。

キリスト教という未知のものへ憧れと希望、そしてキリスト教という未知のものへの恐怖、この二つが対立した時に、死を覚悟してまで踏み絵を避ける信仰心ときたら、やはり恐怖を持つ側にとっては、恐怖を更に強調するだけの脅威があったんだろうなと考えました。

踏み絵の際に「形だけでも良い、軽くで良い...」などと言って事を大きくしたくない感じの審査官に信仰心の薄いライト仏教徒が多い日本人気質を感じてしまいました。

長めでしたが、イッセー尾形さん演じる井上様のずる賢く巧妙な役柄が度々、画とストーリーにパンチを効かせてくれました。
拷問最中でも風景がやけに美しくて皮肉を感じずにはいられませんでした。
キチジローに関しては、出てくるたびに、キチジローほんま頼むわーって祈るような気持ちになりました。笑
キチジロー役のオーディションは浅野忠信さんも受けておられたようですが、窪塚洋介さんがハマリ役で良かったと思いました。

キリストに寄せていくアンドリュー・ガーフィールドの髪型は、キリストヘアー萌えの私にとっては唯一の癒しとなりました。
静かなエンドロールも沁みました。

見終わって、愉しかったーって言えるような映画ではありませんでしたが、心に爪痕残してくれたおかげで色々と考える時間を頂けました。