Kana

沈黙ーサイレンスーのKanaのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.0
"キリシタンの弾圧"という重いテーマに約3時間の大作でしたが、ストーリーにぐいぐい引き込まれ、最後まで飽きることなく見られました。

ハリウッド映画にありがちな日本の奇妙な描写など皆無で、どんなに入念に調べ上げられ、綿密に研究されたかが伺われます。
日本人俳優達も素晴らしく、窪塚洋介の熱演はもちろん、イッセー尾形の怪演は表情・間の一つ一つが天才的でした。

タイトル通り、全編を通して挿入音楽はなく、タイトルロールもエンディングも自然の音が効果的に使われていました。

「人間が こんなに 哀しいのに 主よ 海があまりに 碧(あお)いのです」とは、原作者・遠藤周作の言葉ですが、人間が哀しくても、幸せでも、海は変わらずに碧く美しい。
自然はただそこにあり、神は沈黙と共にそこにいるのかもしれません。
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