試練の果てに。
スコセッシ監督の約3時間に及ぶ大作。
原作未読。
江戸時代の日本では、宗教弾圧の対象であったキリスト教徒達の物語。問われるのはその信仰。
余裕こいてたら24日に終わることが判明したため、緊急早起き鑑賞。
早起きは子供の頃から苦手なんですが、観て良かったです。
こういう重めな題材でありながら、大きな映画館で上映されて、それなりに動員して、しかも評価されているということは嬉しいです。
スコセッシ作品は恥ずかしながら『タクシードライバー』しか観てませんが、芸術映画と娯楽映画の中立点に立つような作風は共通してるなと思いました。
深いテーマと、長尺を感じさせない引き込み感、そして見終えた後に得られるカタルシス。すべてが素晴らしいです。
自分のスタイルを持つ監督には、ジャンルの線引きなど意味をなさないのでしょうね。
センスあふれる映像美と、細部へのこだわり。
印象的だったのは、幾度となく出てくる踏み絵のシーンのひとつで、取り調べが終わった後に、取り調べる側と取り調べられる側の人間がリラックスして世間話を始めるシーン。なんとも日本人らしいな、と。外人監督なのにこういうシーンを作れるのは凄いなと感じました。
タイトルの意味に気づいたのは鑑賞2日後(←遅い)。映画を見過ぎのせいか、ひとつの作品に対して考察する時間が少なくなっているのは否めない。少し考えよう。
何が正しくて、何が正しくないのか。
誰が強くて、そして弱いのか。
咀嚼するのが心地良い作品。