創

沈黙ーサイレンスーの創のレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.5
困った時だけ神だか仏だかを呼び出して

神様!仏様!!お願い!!!
◯◯して!◯◯できますように!!

と祈る私は段々キチジローが自分に見えて辛かった。

様々な困難に見舞われ、命すら危うい切支丹の間で神の存在意義や神そのものが変わっていくのは必然だと思う。
パードレから見たら歪んだパライソ観も祈りも慣習も、
信じ続けようとする人々が生み出した神そのものなのではないかと思う。

が、それはキリスト教的な神ではないのよね。
そしてキリスト教はそういう神の存在を良しとはしないんだよね。

自分の好きな映画をみんなに好きになってもらいたいように、
自分の信じる神を自分と同じように信じて欲しいし、そのためのお手伝いをするのもパードレの存在意義だもんね。

長崎弁?で一生懸命告解する片桐はいりのその内容をきちんと理解しようと、
何度も聞き直すパードレの姿に、神を伝えるものとしての優しさが詰まってた気がする。

日本人キャストがみんなすごく良かったし、切支丹弾圧という歴史的事実を、
外国のひとが撮っているというのに、役人に対しても意外と優しかった気がする。

これが隣人を愛せ。なのか!?
創