グリゴリグリグリ

沈黙ーサイレンスーのグリゴリグリグリのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.7
この監督の作品はこれが始めてであったが、それでも名前だけは聞いた事かあるような巨匠。そしてこの沈黙を観た時には、流石は、と言いたくなった。
まず、導入がすごい。冒頭のシーンで観客を惹き込めればそれだけでもすごいのだがこの作品は、気づいたら話の中に入っていた。それだけこの作品の惹き付ける力がすごいのだろう。
そしてなによりも、自分の信仰と目の前の現実とで揺れ動く様がよく描かれている。
その間の緊張感は言うまでもなく、その後の肩の荷が降りたようなフッとした解放感はこちらまでもが気が楽になる。
加えてキチジローの人間臭さ、そして彼を信じていいのかという疑惑。仲間とのすれ違い。
すべてにおいて素晴らしいと評しても構わないだろう。
年齢層が上か、私のような稀有な若者しか観ないだろうが、普段は量産ドラマなんかしか観ないような現代の若者にこそ観て欲しいが、観ても素晴らしさは伝わらないだろうな、とも思う。