このレビューはネタバレを含みます
キチジローの生きるために裏切りを繰り返す姿に、あの時代の現実をみた
「踏み絵を踏むだけだ、そんなことで真の信仰を捨てられるとも思っておらん」という役人?のセリフにちょっとびっくりした。
そうだよな、やっぱり役人もそれくらい分かってるよな。
人の心なんて簡単に捨てられない。
絵を踏もうが、つばを吐こうが、棄教しようが。
そんな物は全て目に見えるように人間が作ったものに過ぎないし
内から溢れ出る心や気持ちは、誰にも支配できるものじゃない。
知識不足で弾圧された理由とか経緯までは言及できないけど、
そこまでするほど日本にとって「脅威的」だったってことは分かる。
時折うつる、主の顔がめっちゃこわかった。
「沈黙」というタイトルの意味が、神の沈黙と知った時、心にずしんとくるものがあった。
沈黙していたわけではない、一緒に苦しんだのだ
という主の声にまたずしんときた、、
神はヒーローみたいに助け出したり、
無から有を与えてくれる存在と思われがちだけど、
世界を創造したとしてもそれは人間の思い上がりのような気もする。
自分の神のイメージは、
祈りとか教えを授けてくれるもので、それ以上でも以下でもない。
だから、沈黙してたわけではなく一緒に苦しんでたって最後のセリフが個人的にはすごくしっくりきた。
ふいに「自分自身でなんとかする力やひらめき」を与えてくれるもの、と考えた方がまだ信じられる。
それも日本人特有の価値観なのかな~。人間一番てきな。
事実、禁じられなくてもキリスト教がそこまで広まっていない現代がまた感慨深い。。
「この国には我々の信仰は理解されない」、か…