江戸時代初期、幕府は国外からもたらされたキリスト教を無益かつ危険なものとして、同教徒を迫害していた。そんななか、布教で日本に赴いた師が棄教したと聞いたロドリゴとガルペは、密輸船に乗って日本へ。着いた先にはキリシタンの村があった。隠れながら暮らす村人たちにも幕府の手が及び、宣教師二人も捕まってしまう。迫害を目の当たりし言葉を失う彼ら。なぜ神は信者の祈りに「沈黙」し続けるのか。そして、師が棄教した理由とは…。
これくらい深いテーマを扱った作品なら162分という上映時間も妥当。見応えがあって良かった。宗教という垣根を越えた真理を問う、素晴らしい内容だったと思う。さすがは巨匠。見せ方が上手く、日本人の偏見がかかったような演技が無いのも好感が持てた。