リコ

沈黙ーサイレンスーのリコのネタバレレビュー・内容・結末

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

自分は特に信仰を持っていないのですが、
モキチやじいさまのように強い信仰をもった人の姿は
なぜかとても美しいと感じ、惹き付けられます。
(だからこそ殉教はしてほしくありませんでしたが…)
一言であらわすと健気です。

モキチは単に天国に行きたいだけでも、愚かなわけでもなく
真摯に神を愛していたのだろうということが
ロドリゴと額を合わせるシーンから伝わりました。

彼らの信じるものがどんなに論破されたとしても、
ロドリゴとモキチ達を結びつけた信仰と
それを持ち続けた尊い人々の存在は汚されないんだ
ということをラストシーンのロザリオから感じました。
神は沈黙どころか、いなかったかもしれないけど、
彼らの信仰と存在は確かにあったということを
ロドリゴは忘れたくなかったのではないかと…。
自分の勝手な願望ですけど…。

対照的に、神や周りの人間を裏切りまくり
踏み絵をふみまくるキチジローですが、
これもまた魅力的なキャラクターです。
正直、ふんどし一丁で何の躊躇もなく踏み絵を踏んで
退散する姿には笑ってしまいました…。
あのシーン、テンポ良すぎでしょ!

個人的には、キチジローみたいな気持ちの弱い人間まで
キリストや神は愛してくれると思うんですけどね。
踏み絵も踏んでいいって言うだろうし。
弱い者は救われないで、殉教者が一番すばらしい
なんていうのは神じゃなくて聖職者の都合ですよねぇ。
リコ

リコ