五島列島隠れキリシタン教会巡り旅に備え遠藤周作の原作読み始め、篠田正浩版沈黙も観たら脚本に遠藤周作参加で凄いスタッフずらり、俺の聖母岩下志麻も出てる。なのに丹波哲郎に全部ぶっ壊されたのでスコセッシ版ぶっ続けでまた観てたら、以前観た時に感じまくった主役への不満が吹き飛んだ。主題の深さとキャスティングの絶妙さに唸るしかない。でたまらず再レビュー。これはキリストとその教義に無邪気に熱狂した無邪気な世間知らずが、熱狂を理念と思い込み、異国の弱者をその思い込みの熱狂に巻き込んだあげくしたたか打ちのめされる厳しいイニシエーションの物語。それを演ずるにアンドリュー・ガーフィールドほどの適役はいないと激しく思わされた。何かを盲信することの美しさと危うさをここまで掘り下げた物語を、ここまで映像化できたのはほんと凄い。何よりそれを敬虔なクリスチャンである遠藤周作が書いたことにこそ真の価値がある。何という深い祈り。今や齧った林檎が聖なるしるしの四角い十字架を、誰もが肌身離さず持ち歩くこの現代。と肌身離さずのスマホに打ち込む俺。たぶらかされてる(わけでもない)自民の方々も必見作。アーメン。
