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沈黙ーサイレンスーのyumeのネタバレレビュー・内容・結末

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

1971年版の『沈黙』と比べて、スコセッシは日本の文化的背景を汲み取った上で丁寧に分かりやすく映像化してくれたという印象
宗教と密接な関係が無い私の言うことは的外れかもしれないがこれを観て思ったのは、神様というのは見えたり見えなくなったりする都合の良い存在なんだなと
本作で神がロドリゴに語りかけるシーンもあれば、彼の絵踏みシーンでは無音になる演出があるのは、そういうことを言わんとしているのだろうと考えた
あとロドリゴがガルパに「still alive!!!」と叫んだり、焼き払われた村を見て「あなたの沈黙がおそろしい」と嘆いたり、神父でありながら神に背くとされる言動を取ったり、神を疑ってしまう葛藤が巧みに描かれていて共感を煽られた、すごい
それからキチジローという存在がこれまたすこぶる良かった
彼は立場も精神も圧倒的に弱い男で、キリスト教を信仰しているが隣人を愛すようなことはしていない
彼は井上が言うように「得体の知れないものに姿を変えた宗教」を信仰している日本人の象徴とも捉えることが出来る

どうして?なんで?と現状が続くと人は疑心暗鬼になるし、自分の“絶対”だって揺らいでしまうことを描きつつも、それでも神は沈黙していない、という答えを出していて潔かった

《備忘録》
https://www.google.co.jp/amp/s/a.excite.co.jp/News/bit/20170218/E1486731536714.amp.html
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