スガシュウヘイ

沈黙ーサイレンスーのスガシュウヘイのネタバレレビュー・内容・結末

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

はじめに、私はキリスト教徒ではないので、キリスト教についての知識はありません。このレビューは、あくまで私が考えたことです。

私はほぼ無宗教ですが、それでも宗教は人間にとってなくてはならないものだと思っています。科学とはまったく別次元の大きな信頼できるもの。その大きな力の中に守られている、という感覚はいつの時代にも必要とされるものだろう。それに結局、苦しいときは、もう誰だって祈るしかないのだ。

ただ、圧倒的に強い人間には、宗教は必要ないのかもしれない。宗教は弱い人間の心を救うものなのかもしれない。


ところで、死や拷問を目の前にして、それでも信仰を捨てない、というのは、果たして弱い人間なのだろうか。死や拷問を前にしても信仰を捨てない強い人間しか救わないような神なら、信じてたって仕方ないじゃないか。


弱いものを救うのか。それとも信仰の篤いものを救うのか。弱いからこそ、信仰心が保てないのではないか。キチジローが弱いのは、キチジローの責任なのか。弱い人間が弱いのは誰のせいだ。キチジローは何度も転ぶから悪者なのか。キチジローは救われてはいけないのか。転んだあと、ちゃんと謝ったじゃないか。


うーん、ダメだ。
なかなか上手くレビューが書けないぞ。まだ宗教の話しかしていない。深いテーマとは別に、映画としてもさすがマーティン・スコセッシといった感じで、素晴らしい出来だったのだが、そんな話までしていたら超長文になってしまう。

とにかく深く重く、考えさせられる映画。
マーティン・スコセッシが遠藤周作の「沈黙」を映画化、というこれだけでも、十分見る価値がある。



公開:2016年(米)
監督:マーティン・スコセッシ(『タクシードライバー』『シャッターアイランド』)
原作:遠藤周作
出演:アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形