ひろ

沈黙ーサイレンスーのひろのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.0
遠藤周作の小説「沈黙」を原作としてマーティン・スコセッシが監督、ジェイ・コックスとマーティン・スコセッシが脚本を務めて製作された2016年のアメリカ映画

キリスト教文学を代表する小説「沈黙」。遠藤周作の代表作をマーティン・スコセッシが監督する。それだけで見ない理由がない。題材が宗教だけに宗教映画と言っていい内容ではあるが、隠れキリシタンへ凄まじい迫害に恐怖し、その迫害に耐えるキリシタンの強い信仰心に心を打たれる。実話を基にした小説なので、信じたくはないが異教徒を排除する日本人の冷酷さには悲しくなる

実は1991年に実際に生前の遠藤周作に直接会って映画化の話をしたというスコセッシ。かなり時間を費やしたが実現した映画化。長い尺の作品にも関わらずBGMをほとんど使っていないのに目が離せない。スコセッシはオブラートに包むこともせず拷問や迫害を描く。目を背けたくなる内容だが、なぜか目が離せないのだ。純粋に神を信じるキリシタン。信仰心の薄い日本という国に育ったからか、その姿に感動してしまう

スコセッシ作品には出演したがる俳優が多いので有名だけど、日本が舞台の作品だが豪華なキャスティング。神父役でアンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライヴァー、リーアム・ニーソンと主演級俳優ばかり。特にアンドリュー・ガーフィールドの演技は良かった。日本の俳優も豪華。スコセッシが選んだのか知らないけど、海外作品では見慣れた浅野忠信。目立っていたのは窪塚洋介とイッセー尾形。イッセー尾形を自分で選んだのなら見る目あるなあ。この人はレベルが違う。超脇役で出演している加瀬亮とか霞んじゃう

キリスト教と潜伏キリシタン。題材としてとても重たく辛い内容。しかし、この映画は美しい。目を背けたくなるシーンの連続だが美しい。遠藤周作の原作の力はもちろん、マーティン・スコセッシという巨匠の力も大きい。歴史映画、宗教映画としても優秀だと思うし、記憶に残す価値のある作品