ボロロボ

沈黙ーサイレンスーのボロロボのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.0
録画してたのをやっと観た。

本日先に観た「ハクソー・リッジ」に続いて、アンドリュー・ガーフィールド主演、制作プロダクションも同じ。あっちはグロかったけど、こっちのお話はエグい。精神的につらくなる、そんなお話。

タイトルどおりに静かな作品。
ほとんど音楽はない。
だから一層、静謐さと無気味さが際立つ。
エンドロール中も曲はなくて波の音。

時代のせいとはいえ、異なる価値観を異物(毒物)として排除もしくは【転ばせる】体制の末恐ろしさ。
ひたひたと迫り、じわじわとやさしく、真綿を締めるように、確実に【転ばせる】テクニック。
イッセー尾形と浅野忠信がとても怖い・・・大変失礼ながら、お二人共ヒヤッとさせる張り付いた笑いがお上手ですよね・・・

日本という国が持つ特異性。
時代は変わったけれど・・・

キチジローはLotRのゴラムのように。
主人公のセバスチャンが「悪には悪としての強さと美しさがあるが、キチジローにはそれがない」と言っていたのがとても印象的。
私的には、大変申し訳ないが、キリシタンの方々もパードレたちも常人には見えなくて、キチジローのようにうつろい行くのが普通の人だよなあ、と思ってしまう、善し悪しではなくて。

はあ・・・心抉られました。
転びバテレン・・・
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