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沈黙ーサイレンスーのgenのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.5
マーティン・スコセッシ監督によるキリシタン弾圧下の長崎が舞台。


何の宗教にも属していない自分でさえも、
ガーフィールドを見ていると信仰する神を裏切る苦しみが尋常じゃないくらい伝わってきた。
特に印象的なのが絵踏みをするシーンで、今まで目の前で幾多の人が死んだり苦しんでる姿を見てきた彼がだったが、絵踏みの瞬間が最も発狂し悔いているように見えた。
人が死ぬよりも、その絵を踏むことのほうが彼には重かったんだ、、、
それほど宗教というものが人間の全ての拠り所だった時代が実在したと思うと感慨深い。
それでも最後は沈黙し続けていた神という存在にすがるのではなくて、ただ目の前で苦しんでいる人を、ただ自分の意思で、救う道を選んだ彼の姿がこの映画の象徴だと思った。

今の時代は、何を信じてもいいし、宗教を信じないっていう自由もある。信じるものが違う人同士が、言い争うことで戦争が起きる。

宗教とは何か、神とは、そして自由とは。そこまで身近ではなかったものを深く考えさせられた映画だった。
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