監督がスコセッシ、原作が遠藤周作、
アメスパイダーマンの兄ちゃん、アダムドライバー、クワイガン、窪塚、浅野忠信、小松菜ちゃん、イッセー尾形…
イエズス会やポルトガル人が日本人を奴隷として買っていたんよこの時代は。奴隷として買われた日本人がポルトガルの植民地に連れて行かれてどうなったのか。
映画「アポカリプト」でもキリスト教徒が出てきたのは凄いインパクトやった。
この時代のスペイン、ポルトガルの「大航海時代」は、自国の植民地政策や侵略で。
「何故日本はキリスト教徒を弾圧したのか」
そこがすこーんと抜けていると、この映画を楽しめないんじゃ…?
(あの)遠藤周作の原作やからそこには全く触れてないかとは思ったが…やっぱり。
もちろん先輩の行方を確かめに、弾圧やりまくっていた日本にやってきた宣教師の物語だから、宣教師の二人が弾圧の理由を知らない訳がない…とは思うけど、原作に無いんだから(知らんけど)、スコセッシはんも別に描かないよね。異教徒に野蛮で冷酷な日本人。そうなるわな。
日本人サイドにも、やっぱり人売りはいた訳だが。人売り、子売りは昭和の時代までありましたからね。
この映画として、どっちが悪いとかじゃなく、全く触れないのは…大きなマイナス。
映画の絵の質としては良い。ハリウッド映画によくある「ヘンテコJapan」な違和感は少ない。農民切支丹が皆そこそこ英語話しまくるのはアレやけど。
もう日本人奴隷、人身売買をオミットするのはまぁ分かってたから、宣教師とそれに関わる人々の悲しみ…そこに絞って観てたけど、うーん。スコセッシのせいと言うよりは原作のせい?
他が良かったのもあり、その辺に感動は無かったなぁ。
一神教と八百万の神との違い、でも人間というものは。考えさせられるねぇ。でもねー。
冒頭とラストに聴こえる虫の音が凄い印象的やった。このような芸術的演出をぶっ込んでくるところは唸らせられた。