さすらい農場

沈黙ーサイレンスーのさすらい農場のレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.1
〈黙して語らず〉
すごい[日本]映画です。
鎖国の日本と、宣教師と隠れキリシタン達
宗教弾圧という暴力に屈し、転びゆく信徒は敗者なのか?
若き司祭と長崎奉行との対話は静かなる決闘。
異教を危険視し、抵抗する信者を[傲慢]とする鎖国サイド。
[宗教はどれも人を救う為のものだろう?
大した変わりは無い。一方を選ぶ必要は無いんだ。形式的な事だよ…]
踏み絵を誘う言葉は一つひとつが納得できるし理にかなっていると思える。が、
どんなに理屈が通っていても拷問という暴力を行使する限り、それは強者の理論であって正当とは言えなくなる。
それは戦勝国が敗戦国を一方的に裁く様を思わせる。
本来、思想宗教は自由であるべきだが、政治が絡むと別問題になってくる。
御定め(ルール)は時代によって変わるもの。命を守る判断こそ普遍であるはず。
真に必要とされるものは残り根付く。

日本俳優勢の存在感が素晴らしく、見応え充分。
一気に引きずり込まれる161分でした。