当時の日本の事情をよく理解している。これなら歴史に通じた人が見ても不満はないだろう。外国から日本に入ってきたものは、日本人向けに魔改造されることが多いが、キリスト教も例外ではない。「徴」をありがたがり、教義を多神教向けにアレンジして信じている。日本で「唯一無二の神」を信じるのは難しいのかもしれない。日本でキリスト教を排除している理由、定着しない理由も筋の通った説明がされていて好印象。禁教のためなら手段を選ばない井上奉行も、私事では善良な人間。無宗教なのでこの映画で伝えたいことの全ては理解できなかったが、深く考えさせられる中身の濃い作品だった。
