つきみだんご

マダム・マロリーと魔法のスパイスのつきみだんごのレビュー・感想・評価

3.8
訳あってインドからはるばるヨーロッパまで越してきた才気溢れる料理人・ハッサンとその一家は、わずか30m先に1つ星のミシュラン料理店「ル・ソール・プリョルール」があるにもかかわらず、ハッサンの父親たっての希望もあってとうとうインド料理のレストランをオープンさせてしまう。
初めこそ意地悪くその様子を見ていた「ル・ソール・プリョルール」のオーナー、マダム・マロリーだったが、店の盛況とハッサンの類まれなる才能、何よりハッサン一家との交流を経て次第に彼らに心を開くようになる。

少しサクセスストーリーが過ぎるかも?と思いつつ、それでも画面に映る料理や食材の瑞々しさやの美しさ、そして並行して描かれる2つのロマンスにいつの間にか惹き込まれてしまう。
特に夜の花火が打ち上がる中で、マダム・マロリーが両店の垣根を超えて料理を運んでくるシーンは、言葉にできないほど情緒豊かで美しかった。