【中高年男女の描き方が秀逸】
よく出来た映画です。
訳あってヨーロッパに移り住んだインド人の家族が、フランスの小さな町でレストランを開業する。しかし、その向かい側にはミシュランで一つ星の定評あるレストランが。当然ながら両レストランは競合関係となり、そこから・・・・。
この映画では、インド人家族の次男と、既存レストランに勤める若いフランス女性の恋愛が描かれているのですが、そして次男はやがて花の都パリのレストランに引き抜かれ・・・とまさに男性版シンデレラ・ストーリーが展開されますけど、ここはありがちというか、やや平凡。
むしろこの映画の核心は、既存のレストランを取り仕切っている中高年フランス女性(ヘレン・ミレン)とインド人家族を率いる中高年オヤジ(オム・プリ)の関係でしょう。フランスとインドという別世界の論理で物事を推進する中高年男女の仁義なき闘い、そして・・・・こそ、この映画を傑作に高めている最大の要因と言えましょう。
最近の映画では物わかりのいいお父さんばかりが登場しますが、このインド人家族のお父さんのように独断と偏見で物事を進める人物もやはり必要かなあ、なんて思いました。