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ミス・バイオレンスのadeamのレビュー・感想・評価

ミス・バイオレンス(2013年製作の映画)
2.5
11歳の少女が誕生日パーティの最中にベランダから飛び降り自殺したことから、残された家族のおぞましい秘密が明らかになっていく様を描き、ヴェネツィアで銀獅子賞を受賞した怪作。
"ギリシャの奇妙な波"とカテゴライズされるランティモス作品同様、崩壊する家庭を淡々と描くスタイルですが、ユーモアがない分よりハネケからの影響を強く感じさせます。
長回しの多用や手元ばかり映すカメラワークが、言いようのない違和感と緊張感を醸し出しているのが良かったです。
序盤からヒントを出しすぎる話の構成は今ひとつで、ショッキングな真実が予想通りの結末に留まり、良い裏切りがないのは残念でした。
語りとしての面白さを出すならもう少しうまくミスリードしてほしかったですし、メッセージ性を強めるなら安易に直接的な描写をするのではなく、真実は想像に委ねた方が嫌な後味が残った気がしました。
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