イタリア移民の主人公ルイスは子供の頃は近所の子供達にいじめられ、しかし逃げ足の速さをみた兄に才能を見出され、陸上選手として華々しく活躍していた。
ベルリンオリンピックでメダルを取り、次の東京オリンピックにも出場するつもりでいたが戦争が始まり、救助に向かう途中で敵機に撃ち落とされてしまう。
サバイバル生活は大変そうだ。意外に強そうなやつほど先に死んじゃって…
助けられたのは日本の船。日本の捕虜収容所に連れていかれたけど、そこにも鬼畜な奴がいるわけです。その鬼畜な上官渡辺に目をつけられたのがルイス。
とにかく、意味もなく渡辺にいじめられるルイス。そして、アメリカのプロパガンダのラジオ放送に出ろと言われるルイス。
一度は言ったけれど、プロパガンダに加担したくないと拒否、再び収容所へ戻ってきました。
やってることは、完全に捕虜虐待で、違反行為やで。
そして、渡辺は昇進して収容所から去って行く。と同時に、東京大空襲。違う収容所へ移送。道中空襲で死んだ市民の亡骸。この時何を感じたのだろうか。
着いたところは寒い寒い所。石炭を採掘してる?そしてまたいたよ鬼畜野郎が。ルイスも流石にクラっとくるわな。
そしてやはりまた殴られてるし。
無茶なことばかりさせられて。
長い人生からするとほんの短い瞬間なんだろうけど、それが苦しいし、永遠に続くように思うよね。
なんでこんなことさせられてるか理由もわからないし、つーかそんなもんないんだろうけど。ルイスの持つ輝かしい栄光に嫉妬してるだけ。そういう人間をいたぶることで自分の劣等感を優越感に変えてるだけ。
そして結局さらに自分を惨めにしてるだけ。そして終戦。
みんな殺されると思ってビクビクしてる。やってきた米軍機を見て本当に戦争が終わったことを実感する捕虜たち。物資も送られてきて一気に元気になる捕虜たちです。
作品自体、私は退屈せずに集中してみることができました。アメリカ公開の時に、色々日本人の描写についてあれこれネットなどで書かれていたようですが、これはあくまでもルイスが体験した戦争であって、渡辺は実際に、戦犯で捕まることを恐れ逃げ回っていたヘタレ野郎です。そして最後までルイスにも会おうとはしなかった。
全ての日本人がそうであったわけではないし、一人一人に戦争の記憶があるということを知ることも大事なんではないかと思います。
その点では良い作品だったと思います。