『帽子の女じゃダメだったんか』
白い帽子の女、字面だけなら決して悪くありません。なんかサスペンスの匂いがするし。
しかし、それにしても、ほとんど出てこないしな、白い帽子。なんなら物語のキーポイントでもなんでもないしな、白い帽子。
壊れかけの夫婦が高級ホテルですったもんだしてなんとなく体を取り戻すお話、なんですけど、全部が全部ファンタジーなもので、ひとかけらの共感も見つけられず。
まず独身だし、金持ちでもなくて(あんなに優雅にマルタ島を使いこなせる気がしない)、何よりそんなに怒ったり泣いたりしたこともなくて。
時期が時期だけに、「潮時の夫婦」がとめどもなくリアルなおふたりにハラハラするだけの鑑賞でした。ハグすら不快な愛の終わりに、ざわつくばっかりです。
ですが、実のところのおめあてのプポー&ロランのカップルはそりゃもう眼福でした。見目麗しいし可愛いしニヤニヤしちゃう。この二人の共演ってこの先もきっと珍しいので、そこは見所だと思います。