美術館やギャラリーは
彼女の「作品」を
全く相手にしなかった。
いや、「作品」とすら
呼ばせてくれなかったよう・・・
芸術家の評価やその作品の価値は
一体誰が決めるのか?
こんな例えが良いのかどうか?
どう考えても面白くてウケていた芸人が、
どう考えても面白さよりも芸歴や技術面で
秀でた芸人に優勝を持っていかれると言う
時折起こる「◯-1グランプリ」の現象と
よく似ている・・・?
しかしながら、
どうして彼女は撮った写真を
一度も公表しなかったのだろう。
謎として色んな解釈がなされてるが、
大量ネガは言うまでもなく、
部屋いっぱいの新聞、手紙やメモ類、
身に付けていた服、帽子、靴など、
わざわざ保管していたことを考えると、
私は彼女が自分自身を一人の芸術家と認め、
いつか誰かの目に触れる時が来ることを
想定していたように思う。
閉鎖的で孤独な人であったからこそ、
尚更そうなったのだと思ってしまう。
昨年、日本で初の個展が
南青山のギャラリー開かれたそうだが、
それまでにこの作品を見ていれば
間違いなく足を運んでいたのに・・・
写真集で我慢するか・・・
最後にジョン・マルーフ氏に
敬意を表したい。
あなたがいなければ、
彼女とその作品を知ることはなかった。