ゲイリーゲイリー

彼の見つめる先にのゲイリーゲイリーのレビュー・感想・評価

彼の見つめる先に(2014年製作の映画)
3.0
本作は常に「もどかしさ」を感じる作品だった。

レオを心配する親の気持ちとその心遣いが鬱陶しく感じるレオの気持ち。
両方の気持ち共に理解できるので、仲違いしてしまうのには、もどかしさを感じずにはいられなかった。

個人的に最も好きなキャラクターはジョヴァンナだ。
ジョヴァンナの献身的なサポートやジョヴァンナと共に過ごすことは、レオにとって日常であるため当たり前と化してしまう。
そのためレオはジョヴァンナの気持ちに気づかない。
その関係性がとてももどかしかった。

ガヴリエルとばかり行動を共にするレオに対して怒りを覚えるジョヴァンナはどこか微笑ましくもあった。

本作の魅力として盲目やLGBTといった重くなりがちなテーマと、思春期ならではの性への関心などを上手に組み合わせつつそれらをアッサリと描いた点が挙げられる。
例えば、冒頭シーンでレオが盲目であるという事の描写やガヴリエルが段差の存在をレオに伝え忘れるシーンなどが良かった。
また、盲目という性質を持つことで、いかに日常生活に制約がかかるかという描写もしっかりされていた。