hoka

4分間のピアニストのhokaのレビュー・感想・評価

4分間のピアニスト(2006年製作の映画)
3.0
クリューガー女史が過酷な時代を、拭い難い苦い後悔と共に生きたことは理解したが、高名なピアニストである事が素人目には余り伝わらない。

事ある毎に、低俗な音楽を否定するが、そもそも音楽には高尚も低俗もない。
主観で音を楽しむものだ。

Classicalな過去に囚われたクリューガーと現状に対する苛立ちをHardcore Punkのようにぶつけるジェニーでは相入れないのも当然だと思う。

ジェニーはそれを最期の4分間で体現してみせた。
彼女の不幸な過去は、同情に値する所もあるが、それにしてもキレやす過ぎるし、時と場所と相手を選ばず、当たり散らし過ぎる。

コンクール前にクリューガー女史が自身の過去を曝け出すシーンがあるが、その告白も果たしてジェニーの為であったのだろうか?

だけど最期の演奏シーンで、確かにピアノは弦楽器であり、打楽器でもあることを再認識させてくれた。
不自由な彼女が表現する音楽は、実に自由だ。
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