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野火の4onthefloorのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
2.4
太平洋戦争末期、フィリピン・レイテ島を舞台に絶望的な状況に置かれた一兵士を描く作品。小説である野火を元に制作されているが、リメイクではないとのこと。このあたりは原作も読んでおらず、1959年に公開された前作の野火も未視聴なので今作のみの視聴した感想を。

鑑賞時は低予算映画なのかと思い見ていたが、実は自主制作映画だと知り、そこは素直にすごいと思えた。

戦争の悲惨さを訴える作品なのだが、リアリティという評判を目にし視聴してみたものの悲惨さを通り越してグロテスクな演出の誇張ばかりが目立っていた気がする。死の間際の人間を描く演出は秀逸ではあったとは思うが、やはり必要以上のグロテスクな表現には嫌悪を感じた。レーティングはPG12だがR指定でも良いと思える内容。個人的にはスプラッターホラーの部類。

戦争を肯定する訳ではないという前置きで、あれだけショッキングな映像を見せられると戦争は悪だという意見にはなるが、戦争の是非うんぬんではなく、あのような特殊な状況に追い込んだ当時の大本営や社会情勢、そして暴走した人間の悪意の部分への否定を怠ると現代の価値観で一方的に評価を下すような極端な軍事アレルギーとなってしまうかもしれない。

言いたいことはわかるが、極端すぎるというのが率直な印象の作品であった。
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