なみっきー

野火のなみっきーのネタバレレビュー・内容・結末

野火(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

野火

2015年夏の公開当時は怖くて観に行けなかった映画。
大岡昇平の野火を塚本晋也監督が撮るなんて、絶対ホラー映画より怖い。

しかし監督だけでなく、脚本・主演・編集・配給も行う自主制作映画であり、ボランティアスタッフをツイッターで募集。絶対撮る!!!気迫がバシバシ伝わる。
そして物凄い評判と、観た人が絶対映画館で観るべき!と言っていたので、決心して観ることに。アップリンクの見逃した映画特集で鑑賞。


【以下、ネタバレ感想】


恐ろしかったけど、
観て良かった。
目を瞑りたくなるシーンが多くて、終わったあと肩が凝っていた。

一番怖かったのはやっぱりパロンポンのシーン。パロンポン、って何か可愛い響きやのにあんなに…
無残な死に方をじっくり丁寧に撮る。。怖かった。


でも時間が経ってじわじわ怖いのは、永松と伍長の反転ぶりの方。
永松は弱者から食べる側へ。
気弱ですぐ泣いてた男の子があんなに冷徹に、変わる。変わってしまう…。

一方で伍長は奪って当然!な立場から捧げる側へ。
「なんだお前、まだいたのか。(かわいそうに。)俺が死んだら、ここを食べてもいいよ。」
「いいぞ」ですらなくて「いいよ」って。

人が短期間でぐるっと180度変わる。
私が生活しててそんな事あるだろうか…。そんな事が起こってしまうのが戦争なのか…。


話の展開は原作に沿っていた。
病院爆破の後笑う田村、自爆する兵士、ラストは監督のオリジナル演出で、食前儀式の不気味な感じも流石だった。

ただ、原作で特徴的に書かれている右と左の葛藤は無かった。
これは時間の都合か、話の展開を絞るため入れなかったのか。
他にも森に入る時の死を予感する感覚、のところとかも。
神秘的な感じ、小説っぽい要素は敢えて外したのかもしれない。

細かい部分を確認するためにもう1回観たいけど、もう観たくない…。

でも観て良かった。
そしてとにかく観て欲しい映画。

塚本晋也監督の映画は、
絶対忘れないものに出会えるから好き。
怖いけど。