うるぐす

野火のうるぐすのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
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すいません。点数の付け方が分からないです。

とにかく苦しいです。
「あらかじめ言っておきますが、この問題には答えがありません。しかし、解き終わるまで会場からは出られません。時間は無制限です。それではよ〜い、スタート。」
と言われて始まる試験のような、

そんな映画です。

絶望。理由がない。論理がない。

だから、ずっと苦しいです。シーンごとに自分なりに解釈しようとして理由を持ち出そうとする。でも、そこに理由なんてないんです。
だから、この映画、めちゃめちゃホラーだと思います。
しかも、もっと怖いことに、これが圧倒的に現実にあったっぽいことなんですよ。
いや、あったんでしょう。

本当に、この映画を観たという事実だけを残して、内容、映像、音、全てを忘れてしまいたいです。映像が皮肉なことに美しいことが恨めしく、あの音が未だに少し自分の耳と脳の間辺りにうっすらと聞こえて、汗をかきそうになります。
一生忘れない映画になりそうです。
残念ですが。


オススメはしません。できません。
こんな物を他人に薦める人の気が知れません。俺はもし薦められたら「どういうつもりや!」と薦めた人間に連絡します。

でも、この映画が存在していることはもしかしたら凄く素敵なことなのかもしれません。そんな気もしています。
となると、一生に一回くらいは観ても、いいのかもしれません。

オススメはしませんが。
うるぐす

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