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野火の3104Arataのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
2.8
【淡々とした哲学的な作品】
・戦争映画、というよりは戦争中の飢餓状態の中を生き抜く残酷さを中心に表現された映画です。それを元に戦争の残酷さや反戦を意図したものと推測しましたが、個人的には「反戦」というよりは、ただただむごい状況を俯瞰して観てしまう映画でした。確かに、通常じゃありえない兵士一人一人の精神状態が描かれることで「むごいなぁ」とは思いますが、「うむ、やはり戦争はいけない!」と直感的に思うには至りませんでした。むしろ、基盤が「戦争」ではなく、例えば天変地異や世界的食糧難などが起こった際にも同じように人間はなるのではないかと思いました。そういった意味では、どんな状況であれ、「人間とはどんなに醜くかろうが、生きようとする生き物である」ということはすごく伝わりました。そんな本質を秘めた我々人間が日常生活において、大なり小なりこれらに近しい状況下で判断をしそうになった時、この映画を思い出し、これをみた上で、自分がどう思うか、どうしたいか、という選択に影響を与えてくれそうな気がします。
・ドンチャカ戦争映画を観たい方にはお勧めしません。どちらかというと淡々とした哲学的な作品だと思います。
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