「生物の多くはどうして、同種殺しを禁忌にしているのか?」
という根源的な問いに「戦時中の飢え」というテーマの本作から答えの一つを得ることが出来た。
同種を食べなくてはならない程の環境は異常だ。
同種同士で殺し合う事がルールの環境下でも、自身らは飢えに苦しみ今にも死にそうである。
何重もの矛盾の中で、人間と動物を行ったり来たりする兵士達の姿は虚しさではなく衝撃と表すのが正しいと思う。
理解のはるか先にいる生物のように感じられた。
そこまでむき出しになっている作品。
それでもこれはどうしようもなく反戦映画だ。