Keitan

野火のKeitanのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
3.6
『地獄をひたすら彷徨うお話』

20191031 124
塚本晋也版、地獄の黙示録。先日、『斬る。』を見た際に他の方のレビューを見てこの作品を見ていない事に気付いた。そんなところもフィルマークスのいいところ。評価も高かったので期待して観たらナナメ上の衝撃だった。

ジャンルとしては戦争映画になると思うが、他の映画で見てきた美化された戦闘シーンなんか全く無い。塚本作品なので血飛沫くらいは覚悟していたのだが、想像以上の死屍累々。何も救われない悲惨な状況が延々と描かれる。むしろ敵の虐殺から逃げ延びるサバイバルストーリーという趣き。

そもそも主人公は冒頭から肺結核を患った兵士で、死を目前にしながら過酷な状況で生きる残る意味、生きるために何を喰らうかが問われ続ける。そして最後に究極の選択が待っている。

何とも後味の悪い、でも決して忘れる事は出来ない一作になった。
同原作の市川崑版があるとの事。そちらも比べて観てみたい。