野火の作品情報・感想・評価

野火2014年製作の映画)

Fires on the plain

上映日:2015年07月25日

製作国:

上映時間:87分

3.9

あらすじ

第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。 日本軍の敗戦が色濃くなった中、田村一等兵(塚本晋也)は結核を患い、部隊を追い出されて野戦病院行きを余儀なくされる。しかし負傷兵だらけで食料も困窮している最中、少ない食料しか持ち合わせていない田村は追い出され、ふたたび戻った部隊からも入隊を拒否される。そして原野を彷徨うことになる。空腹と孤独、そして容赦なく照りつける太陽の熱さと戦いながら、田村が見たもの…

第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。 日本軍の敗戦が色濃くなった中、田村一等兵(塚本晋也)は結核を患い、部隊を追い出されて野戦病院行きを余儀なくされる。しかし負傷兵だらけで食料も困窮している最中、少ない食料しか持ち合わせていない田村は追い出され、ふたたび戻った部隊からも入隊を拒否される。そして原野を彷徨うことになる。空腹と孤独、そして容赦なく照りつける太陽の熱さと戦いながら、田村が見たものとは・・・

「野火」に投稿された感想・評価

踊る猫

踊る猫の感想・評価

3.9
凄まじい映画だと思った。ただひたすら戦時下のフィリピン(?)での殺戮を描き切っている。主人公を中心に据えて、回想シーンを交えることなくエンターテイメント性にも頼らずに描写したその志は大いに買いたい。悪く言えば一本調子に流れる映画でもあり、極限状態に置かれた主人公たちに感情移入が出来るかどうかがキモだろう。大岡昇平に依る原作は一応読んでいたのだけれど、原作が傑作だったのは主人公の内面描写が描かれていたせいなので映画化にあたって内面の吐露を禁欲したのはどう捉えるか評価は割れるかもしれない。若干退屈な印象を抱いたことは否めないし、なるほどテレンス・マリック『シン・レッド・ライン』さえも彷彿とさせるほどジャングルの描写は鮮やかに描かれているけれどそれだけではどうも……とも思いこの点数になった。面白くしようとすれば出来たはずだが、その陳腐な「面白さ」に頼らない姿勢は賛否を呼ぶだろう。
Arisa

Arisaの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

レビューを拝見して、早速鑑賞。

まるで戦争映画とは思えない花の鮮やかさ、海、画の美しさが印象的だった。

ノイズミュージックがまるで薬のように
まるで自分も空腹と疲労で限界の日本兵になった気にさせる。

敵軍はもちろんのこと味方のはずの友軍も、戦場にされた現地の人々、会う人会う人が味方ではなく、そんな中戦争の凄惨な状況が延々と続く。

感動の涙なんか一切なくただただ口を開けて観ました。
ここ最近では一番忘れ難い映画でした。
映像技術が発達したせいなのか、映画を観ていて初めて気持ち悪くなった。前作とは異なり、不気味さの残るラスト。
andhyphen

andhyphenの感想・評価

3.8
公開時観ていなかったがこの季節に各地で上映が行われていたので観に行った。
映像としてはとてもきつい。目を背けたくなる。率直に言って地獄でしかない。その地獄の中で繰り広げられる生存競争。
戦争の残酷さや生命の尊さというものの前にまずは生きるということの過酷さ。それをひたすら見せつけられる。こうやって日々安穏と過ごせる事が奇跡に思えてくる。
戦いは全く美しくない。美しさなんてどこにもない。戦争とはそういうものなのだという事を強烈に示している気がした。
音楽と蠅の羽音が忘れられない。
象

象の感想・評価

4.0
蝿の映画。『シェルタリング・スカイ』『ガルシアの首』と併せて三本立てで観たい。
230万の軍人が先の大戦で命を落としたが、その60%が餓死という事実。

起こるべくして起きた戦争。
避けざるを得なかった戦争。

戦争勃発の背景には「誰か」や「一国」を責める事が出来ない複雑な要素が数多とある。

御国のために、家族のために、愛するもののために、自分のために。

戦争に従事した方々はどこかしらこのような思いもあったに違いない。

ただ、どんな背景、目的があったにせよ、この映画で描かれていたような事態を引き起こしてしまう戦争はやはり悪でしかない。これらの事が予想、想像出来たならば誰が戦争を支持できよう。

戦争が起こったらどのような事が起こり得るか。

この映画は戦争による銃撃戦や頭脳戦以外の最も苛烈で醜い戦いを描いている。

この映画を見れば、いかなる事が背景にあろうと戦争という選択肢はあり得ない、と思えるはず。
三畳

三畳の感想・評価

4.1
終戦の日に一日上映が多くの映画館で企画されていたらしく、素晴らしい機会をありがとうございます。

トークショーまで見させていただいて、この塚本監督という人は(他の監督&出演作品はまだ観ていないのですが)、解説がとってもわかり易くて、真摯さに溢れていて、激しさを内に燃やしていそうで、物腰の柔らかさも、葛藤する物書きの田村一等兵がそのままスクリーンから出てきたような、実在した田村という人物の子孫かと思うような。
監督自ら演じるにあたり原作をリスペクトしたうえで血の通ったキャラクターを描き出したんだなと思えました。そこに、感激しました。
これは、「この世界の片隅に」でも声優ののんさんが主人公すずの子孫なんじゃないかって思えてしまうほど、リアリティを感じたこともつい最近。

怖ろしい環境のなかでも食料を探す生命力、混乱で人を殺してもなぜ生きるのか?と途中から問い始めてしまう。野火は、生還した主人公の手記という設定。突然、帰れた家の中は、仄暗くて音がなくて、PTSDに苛まれて、戦争帰還者の晩年はずっとこのようなトーンだったのかなと思いを馳せた。

現地で多くの者が、望みや、理性や倫理、正気を失い、目が死んでて、人が焼け野原の一部と化しているような環境で感性が鈍ってくると思うけど、主人公だけはいつも人が死んだり何か起こるたび真新しいショックを受けては目を見開いて震えていた。

色鮮やかに輝く豊かな自然と、黒焦げに腐って打ち棄てられた人間の対比、という観点でいうと、一見たおやかな主人公の目には命の光、葛藤がギラギラと色濃く燃え続けていたと思う。その目に強く焼き付けられた体験の全てが晩年も彼を苦しめ続けたのだろうと想像されやりきれない。

大量に殺されるシーンはもちろんだけどその少し前の、真っ暗な中を開けた土地を渡るシーンも凄かった、本当に何も見えなくて緊張して、研ぎ澄まされて。人肉を食すことについてトークでは、選択の余地なく当然行われていたと思われるとのことだった。野蛮な誰かの始めた争いが、巻き込まれた末端の人間を動物にする。生か死かしかなくなるまでの過程をしっかり見せられた。

書き出すと本当に見所しかない映画だと思う。それでも何箇所か、来そう、というところは目を細めて直視できなかった。また、映画館を出てからも思い返すのが怖くて、不自然に軽い無関係な会話で凌いだ。

映画みたいな映画だなぁと、変な感想を持ってしまうのは現実だと分かっているのに受け止めきれないから。映画として観ても受け止めきれないことが、万が一現実に再び起こるとしたら。
炎の画に、「また始まるのか、やめてくれ、やめてくれ!」という激しい独白があったけど、現代の戦争を拒む心に重なって聞こえた。
nr

nrの感想・評価

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2017/08/15
ユーロスペース
yoji

yojiの感想・評価

4.0
最後まで見るのがつらい。戦争は悲惨だ。15.Aug.2017
話は重いけど面白い。
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