のら

映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!ののらのレビュー・感想・評価

2.5
消えた妖怪ウォッチを取り返すため過去に戻り、歴史を修正するというタイムトラベル物。

この作品の特徴は、タイムトラベル先が主人公の祖父が少年期を過ごした昭和三十年代という部分にある。実際この映画が対象とする層の祖父母にあたる世代の原体験と重なるように作られている。実際本作はマーケティング的な配慮が非常にされており、過去パートの描写が非常に細かい。例えば主人公の祖父が店頭のテレビでガッツ仮面(月光仮面のパロディ)を食い入るように見る所や、スター・ウォーズやダヨーンのおじさん等、比較的に古めのギャグを多用し、子ども達の付き添いで来るであろう大人、特に祖父母世代を飽きさせないような配慮がなされた作りになっている。

しかし一方で過去にタイムトラベルするというのがマーケティング的な機能を果たしてしまっているため、時代設定のほうに焦点が当てられているため、肝心のテーマである所の祖父と孫という関係性があまり機能しない結果になってしまっている。

つまり本来出会うはずのない2人が出会うことによる化学反応が起きないのだ。祖父が妖怪ウォッチを作らなくなった理由と、敵であるウバウネ達の歴史改変がリンクしているように見えない。

ギャグも基本ハマっている。もちろん子供向けに天丼チューニングされているので、若干くどさはあるが大人が見ても飽きる事はないだろう。また終盤のオールスターキャストの展開も見応えがある。ただポケモンと同じ OLM が作っているので、アクションの演出がポケモンシリーズに似ている。

全体を通して見ると飽きずに見ることが出来るし、本作を通して伝えたい事はわかるのだが、メッセージ性がボヤけた印象をうける。
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