滑頭

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うの滑頭のレビュー・感想・評価

3.8
ジェイク・ギレンホールのファンで、ジャン=マルク・ヴァレ監督は『ダラス・バイヤーズクラブ』が良かったから、観たのだけど、んー期待したほどでは。

妻を事故で亡くすも、ちっとも悲しがれず、赤の他人との交流を通じて、忘れてしまっていた愛に気づく、というような題材は『永い言い訳』にとても似てるのだけど、『永い言い訳』の方が数倍よくできていた。妻との関係を考え直す過程の中で、死んだ妻との想い出がフラッシュバックして、まるで妻の亡霊に付き纏われているような感覚になるというのは、映像の表現も含め、とても似ていた。あと『ゴーン・ガール』も思い出した。

セリフはいちいち素敵だし、編集のセンスも好きだし、映像の表現も好きで、全体の雰囲気はとても好きなんだけど、扱ってる事に対してまだ描写が足りない気がする。提示した要素ひとつひとつに対してしっかり上手く落とし前つけることが、できてない。上映時間が短い。この内容をちゃんと描くならもっと長くないと無理だと思う。

それこそ監督は、この映画のテーマの通り、この脚本をスクラップ&ビルドすることが必要だったかも。要素をバラバラにして並べてみて整理して組み立て直す。それが必要だったんじゃないかなぁ。

嫌いじゃなかったです。

2017/02/25 @シネマカリテ
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