りっく

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのりっくのレビュー・感想・評価

3.6
忙殺される日常を送る中で、突然妻が目の前で事故死する。そんな現実の喪失感や悲しみとどう向き合うか。それを乗り越える方法は人それぞれであるということを、繊細な描写の積み重ねでじわりと心に残る秀作。

妻の両親であり、夫の上司であるクリス・クーパーと対比される形で、破壊や解体を繰り返し、組み立て直そうとしても元に戻らず、日常のルーティンの中で妻の面影を思い出しては、彼女への愛を確認し、愛をおざなりにしていたことを後悔する。

大切な誰かを失い、声を上げて泣き、誰かと寄り添い想い出を語り合い、それを乗り越える。そんな悲しみの受け止め方もあろう。だが、本作のジェイク・ギレンホールの言動は一見すると狂気のように感じるかもしれないが、彼の心の動きに寄り添うからこそ、彼の体温が観るものに伝わってくる。
https://www.shimacinema.com/2021/05/28/demolition/
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