エクストリームマン

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのエクストリームマンのレビュー・感想・評価

3.7
Dear Champion Vending Company

自然光での撮影がやたら多いと思ったけど、『ダラス・バイヤーズ・クラブ』の監督なのか、と。あの時は予算がなくて(はじめは)仕方なく自然光で撮ってたみたいだけど、そこから意図的に使うようになったのかな。フィルモグラフィー追ってるわけじゃないから確かではないけど。

妻を喪ったのに、全く哀しみを感じられず何の実感もない男が、なんやかんやで徐々に癒やされて哀しみを取り戻していく話って最近多いような気がしなくもない。なんか邦画でも予告編で見た気もする。そういう気分が流行っているのかな。ジェイク・ギレンホールぱわーで主人公:デイヴィスの壊れっぷりとユーモアがなかなか楽しい感じに仕上がっているので、粗筋がよくある感じでも全然構わない(なにより、よくあるなと思っているだけでそれらを観ているわけでもない。マシュー・マコノヒーが樹海行くやつとか)。

ジョン・ウィックみたいな家に住んでるジェイク・ギレンホールが、もうそれだけでなんだか哀愁漂っている(そういえば、ジョン・ウィックも妻を亡くした男が暴れる話だった)。哀しそうな顔しているのに全く哀しそうに見えない主人公が葬式を済ませて即日常に戻っていくとき、カメラは常に手持ちで揺れていて、カレン・モレノ(ナオミ・ワッツ)や彼女の息子クリス(ジュダ・ルイス)と過ごすうちに徐々に画面の揺れはおさまって、やがて……という演出もベタだけど悪くない。デイヴィスの壊れっぷりというか壊しっぷりには『ナイトクローラー』のルイス・ブルームを感じさせるサイコな感じが出ていてとてもよかった。あと、ポスターにもなっていて、何度か映っているデイヴィスの通勤風景で、クリスに録音してもらったロックな音源を聴きながらの場面(3回目くらい?)がやんちゃで素晴らしい。

ナオミ・ワッツもクリス・クーパーもよかったし、何故か公式サイトに名前も乗ってないヘザー・リンドも良かったけど、なによりクリス役のジュダ・ルイス君が素晴らしく、『ナイスガイズ!』のアンガーリー・ライスに引き続いてクールキッドが群雄割拠しているのを肌で感じた。頭が良すぎて、繊細過ぎて、世間に馴染めない彼とデイヴィスがたちまち仲良くなって、ガレージで暴れるところで(何故か)『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』のブレナンとデールを思い出したりして、役割的にデイヴィスは父親なんだけど、二人の関係が兄弟っぽくもあるのかなと思ったり。クリスがタバコ吸うところとか、ホームセンターで買い物しながらの会話とか、とにかく何もかもが素晴らしい。登場とラストのカットで双眼鏡越しにデイヴィスを見るクリスは子供の姿をした天使であることは間違いないけど、タバコをあんな風に吸って、容赦なく拳銃を撃てる天使なら、そりゃデイヴィスも救われるに決っている。

とにかく、ジュダ・ルイス君が素晴らしい映画だった。

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