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雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのneroのレビュー・感想・評価

4.0
さすがにジェイク・ギレンホール 一筋縄ではいかない心の再生の物語・・・なんだろうなあ

原題の直訳は”解体” 義父のいう「心の修理も車の修理も同じ まず分解して点検して組み立て直すんだ」という言葉がキーとなって 手近な家電から家の解体まではじめてしまうが 狂気ゆえではない 無意識の再構築欲求なんだろう それは自分自身であり 義父・義母あるいは妻との人間関係までも含む解体作業なのかもしれない
触媒として働くのが一組の母子 このふたりがデイヴィスの鏡となる 息子(ジュダ・ルイス=すごくイイ!)に銃で撃たせるシーンは自分まで解体しようとしているみたいで切ない

ラストシーンは海辺に再生され 妻ジュリアの名を冠した回転木馬で笑う子供達 この看板一枚で一気に空気が輝く(ホントにそう感じたんだよ!) ジェイク映画とは思えないほど後味爽やか
 
邦題は車のサンバイザーに妻が残したメモにあった言葉 なぞなぞらしい 答えは”サンバイザー” 訳からの抽象化が過ぎていまいち意味が通らないが この妙に引っかかる感じは狙ってるんだろうか? 原題はあまりに余韻がないし これは配給も悩んだろうなあ
しかも画面上の情報量無茶苦茶多くないかい! 挿入される妻との思い出ショットに翻弄される

なんだか「お前は?」と問いかけられているようで 結構奥にズシンと堪える映画だった 愛情薄き既婚者だからかね?
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