ひろやま

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのひろやまのレビュー・感想・評価

3.7
目の前で妻を亡くしたのに、涙はおろか悲しみすら湧いてこない。ただ、心にはずっと違和感の様なものが。それを理解しようともがく男と彼に出会った人たちの話。

説明的な台詞があまり無く、登場人物の心情理解に多少の読解力を必要とする作品。特に主人公の妻ジュリアには最後まで明確にされない事柄もいくつかあるが、その辺は推して量るべし。

男が自身の抱く違和感の正体に気付いていく過程はとても”映画的”であるものの、どことなく共感できるリアルさもある。ヘッドホン音楽ガンガンで街を踊り歩くのとか家財道具をぶち壊すのとか妄想では自分もやった。

主人公とモレノ親子や義父との関わりを見てると、やはり大半の人間は孤独じゃ生きられないんだなと実感させられる。それは亡くなった妻も同じだったのだろうか..

何ともやるせない気持ちにされられつつも、その中に見出す前向きな感情に救われる映画。
ひろやま

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