チョマサ

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのチョマサのレビュー・感想・評価

3.5
原題は解体とか取り壊しを意味する。原題通りいろいろなものをぶっ壊して本当の自分や欲しい生活を手に入れようとする話。

邦題は劇中に出てくるセリフから取っている。途中はつまらないんだけど、ぶっ壊した挙句にいろいろなことが分かるようになってからおもしろくなった。


奥さんが死んで、自分が奥さんを愛してないことや彼女のことを知らないことに気づいてから、知らないことを知るために行動に移す。
主人公のデイヴィスに実際に家を壊させたり、分解させるのがおもしろい。彼はよく分からないものを何でも分解する。彼が中身を知りたいって衝動からでもあるし、おかしな行動を起こして、自分や他人の生活を破壊することで、自分や彼女について本当のことを分かろうとする。


パーティーのあとがクライマックスで、いろいろな人の本当のことが破壊のあとに分かるようになる。ジュリアが〇〇と〇〇をしていたこと。ワゴン車の男は誰なのか。カレンは浮気がばれることで関係を清算するし、クリスは自分の静的特質に気づいてから袋叩きに遭い、そうしたことで本当の自分を打ち明けられたと言う。破壊と再生がテーマの映画。


途中のカレンとデイヴィスのデートは『男と女』っぽい画で、だらだらしてつまらない。やたら気取ったセリフと設定が村上春樹っぽい。
編集がちょう面白くて、冒頭のフラッシュバックや逆回し、一瞬のカットに撮るのが大変そうなシーンとかあって贅沢な撮りかたをしてると思った。

ジェイク・ギレンホールは『ナイト・クローラー』もだけど、なにをやってるか分からない役が似あう顔をしてる。ナオミ・ワッツは老けを隠さないのがすごい。大抵の女優っていろいろ美容整形とかやりまくってる印象があるけど、この人は堂々としてる。
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