きよこ

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのきよこのレビュー・感想・評価

3.8
愛は今そこにあるのに私たちは易々と疎かにしてしまう。もし突然失ってしまったらどうしようもない喪失と絶望に支配されてどうしていいかわからないだろう。

やる気も生きる気力もなく、食べることも笑うことも許さない自分の世界に完全包囲される。ただ泣くことだけが美化されて、何が真実かとも全く疑わなくなる。悔恨の念に没入していく。。。これが喪失の受容へのプロセス。



この映画は去年の私的邦画1位の「永い言い訳」と比較されがちだが、主題は同じだか全く別物。かなり大胆でcoolでcrazy。邦題がロマンチックだったから、どう展開するだろうと期待して観ると…まあ、見事に裏切ってきた。台詞も少なくて、映像と音楽がやたらと格好いい。いやはや、原題のままだったらジャケ写は全く合わないし恋愛体質の女子たちの足は向かないだろうな。私もスルーしてたかも。


ジェイク・ギレンホールは「ブロークバッグマウンテン」の愛を貫くゲイ役に惚れまして、今作も文句なしで素晴らしかった。ナオミ・ワッツは年齢相応のくたびれた感がかなりよくてとても好感がもてた。作り物ではない、本物感が役者魂を感じさせた。子役も生意気で危なげで色っぽくてよかった。


「破壊」がもたらすものはなんだろうか?何が真実になるのだろうか?興味がなければいずれ愛も偽りになるのだろうか?はてさて、愛という概念ははじめからそこに存在していたのだろうか?咀嚼すればするほど混迷の道が続く。いつか自分で道をきりひらくために。


ラストのカタルシスは秀逸。是非体験してみて\(^o^)/
きよこ

きよこ