チーズマン

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのチーズマンのレビュー・感想・評価

3.7
悲しみや心の傷に向き合うのに、教科書はない。

そんな話をこの監督おなじみのフワッとしたタッチの中に時折すごく硬度を散りばめた独特の雰囲気で描いた良い映画でした。

西川美和監督の『永い言い訳』もちょっと思い出したりしました。

周りの反応だとか悲しんでるように見えるか見えないかとか世間一般的な倫理観というのは一応あるでしょう、しかし仮にそこから言動が外れているからといって悲しみの有無や浅深なんて誰が判断できますか?向き合うのは当の本人なんですから結局本人がやりたいようにするのが結局のとこ最良なんだろうと思います。


このジャン=マルク・ヴァレ監督の前作『わたしに会うまでの1600キロ』もそういうそういう話でしたし、思い返せば『ダラス・バイヤーズクラブ』もなにげにそういう話なのかもしれないですね、余命30日と宣告されてからの彼の人生のあの燃え上がり方は彼なりの“向き合い方”だったのかもしれないと思いました。
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