nameless

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのnamelessのレビュー・感想・評価

4.3
センスの良い邦題だな…叙情が込められていて、題だけでも作品そのものに雰囲気を与えてる…なんてメンタルから入った今作。

でも、それが逆に濃霧になってた…(-_-;)

私には『このミステリがスゴい』な作品でした。永い言い訳と同じプロットに見えて…実際はかなりエグい事をしてる気がします。
個人的な見解ですけどね(苦笑)

私の見方をガラッと変えたのは、トランクケースの中身には何が入ってるんだろう…という感じの、手紙の文面に綴られた言葉でした。

その人の中には、何がある?

そんな視点変更の暗喩的な表現。

ターニングポイントというか、変革の兆しというか…私の『奇行』に対するアプローチをフィックスした描写でした。多くのメタファーの中で最も判別しやすかった。そこで思い返してみて愕然。

そこまでのディヴィスは、トランクケースの中身なんて気にもしない人物でした。

それがトランクケースだとしか考えない。
外側にあるもの。それが全て。

人の内面を考えていない。

妻との関係性も然り。

この転機から彼は、それと向き合うパートへと進みました。そして奇行も変質していく。虚ろなトーンを変えずに見事に展開させていく手法には感嘆しました。そのまま観ていけば、邦題に繋がる紙片に切ない気持ちで情緒的な感想を書いていたかも。

でも、気になってチャプターを戻して、喪失直後からのディヴィスの行動を確認していくと、感覚的メタファーが怒涛のように続いている。直観力を試されてるみたいな…ズルい構成。二度見必須ですよ、コレ。

自販機の故障からは心の機能不全。
水漏れする冷蔵庫は彼らの夫婦生活。

そう考えると原題の意味が…なんだか違って見えてきました。この構成…どこまで分解できる?って挑発にも思えてしまいました。畳み掛けてくるように分解対象とそれが意味する暗喩とが繰り返されます。

この辺りで私は、エターナルサンシャインが頭の片隅を過ったりして…人の感情をサスペンスにしたような印象を受けました。

そして、最後のメリーゴーランド。

破壊ばかりだった作品の中で、唯一『修復』されたもの。機能を取り戻した心のメタファー。

これは疲れる…やり方がズルい。
でも、だからこそ見応えがありました。
まだ気付いてないトコはたくさんあるはず(^_^;)

そして多分、これが最大のメタファー。

ディヴィスは私たちなんじゃないかな?

君たちは他人に無関心になってないか?
関心があるなら、この作品をDemolitionできるはずだろう?

そんな挑戦状かも?

うにゅー…ムカつく🤢
でも疲れたから、今日のところはこれぐらいにしといてあげるわ!(遠吠)

見応え抜群!次は勝つもんね!(笑)