こういう屈折した作品は好き!
でも、今のわたしには少し難しかったというのが、正直な感想。
妻が亡くなっても涙が出ない。
なぜ。
突然、当たり前の日常が崩れる。
頭で考えることなく流れる結婚生活。
これに欠かせない人がいなくなったことを理解するための時間の長さには個人差があるはず。
主人公にはそれを理解するのに多くの時間がかかったし、なんとも言えない徐々に増していく違和感を解消する術か、癒す術が必要だったのだと思う。
解消する術がDemolitionであり、癒す術があの親子だったのだと。
苦情の手紙があんなにも発展するなんて、"普通は" ありえないし、家をあんな風に壊すなんて"普通は" 考えられない。
きっとそこで、主人公も私たち鑑賞者も気づく。
"普通"じゃないんだ、と。
妻はいない。
今までの日常もない。
今までの自分はもういない。
変わっていいんだと。
変わらなくちゃいけないんだと。
きっと、実際に前に進むのにはまた時間がかかるはず。
でもそれも自分らしさで、それでもいいんだ、それに気づくといいな…
人は傷つけあう。
でもどうしようもなくなったとき、寄り添えるのも人なんだと思える作品。
補足ですが、意外と主人公の義父が話のわかるおじさんでした。笑