nutaki

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのnutakiのレビュー・感想・評価

2.8
旅行から帰って久し振りの映画で、るんるん気分で鑑賞。
主役のジェイク・ギレンホールは『遠い空の向こうに』からのファンだし、
その時の父親役のクリス・クーパーとの共演!
『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』の詩的な邦題と相手役がナオミ・ワッツと来れば、期待値マックス!
日本公開が遅れたのは評判が良くなかったからかな?と思ったけど、見れば高評価だし、何度も観たら良さが分かって来る、なんていうレビューがあったりするけど…。
あれ?ちょっとがっかり💦
この邦題自体は素敵でワクワクするし、しっかり作品中にも出て来るフレーズではあるけれど、これをタイトルに持って来る日本スタッフにあざとい感じがした。
Demolitionという原題通り、破壊しまくる話だから。
このタイトルでは誤解が生じるわ。

ジェイクあっての作品かな。
観終わった後に、これジェイクでなかったら誰が適役かな?と想像してみたけど、誰も浮かばなかったし、ジェイクでなかったら更にがっかりしていたと思った。
『複製された男』『ナイトクローラー』辺りの狂気に満ちた役を演じたら真に迫ってるものね。流石の演技だった。
逞しく毛深い体と、ギョロ目で濃い眉なのに童顔で整った可愛らしい顔とのギャップがまた、何とも魅力的。
クリス・クーパーは老けていた顔も、ようやく年相応になって来た感じで、相変わらず渋くて存在感がある。
ナオミも美しいし、ラストの切羽詰まった演技は圧倒された。
息子役のジュダ・ルイスも中性的で役に合っていた。

妻を事故で亡くした男。
大切な人を失う悲しみは涙として出て来るとも限らず、シャンとしてるから意外に大丈夫そうねとか言われた人が、実はうつ状態になったり仕事を辞めたりしたのを知っている。
その現れ方も時期も人それぞれ。
今作の、破壊という行き場もまた、納得は出来る。
ただ、それが行き過ぎた時に、破壊が暴力となり、許容範囲を大きく超え、観ていて不快な気持ちになってしまった。
多分、その時点でこの主人公から気持ちが離れ、客観的にしか見れなくなった。やり過ぎだろ、とかあり得ん、粗末にするな、的な。
過去の映像や象徴的なものを入れ込むことが、どういう意味かは完全には理解出来ぬままで終わった部分もある。
2度3度観れば理解出来るかもしれないが、そういう難解なヤツは、1度目に魅力を感じるからこそ、再鑑賞したくなるわけで、今作にはそこまでの魅力は感じなかった。
自宅の破壊などは、その後のカットを観ると、妄想か現実か分からず、そうなればナオミ演じるカレンの言動すら怪しく感じた。
この邦題のフレーズが出て来る付箋のシ-ンも感動的になるはずが、その前の過去が明かされることで、一体どこに愛があったのか?という消化不良の思いで感動に辿り着かない。

さて、ジェイクが街中で踊り狂う場面は愉快だったし、最初の方の破壊もなんだかスッキリして楽しかった。
クレームの手紙の出だしも面白い。
破壊や手紙が1回でなく、何度も繰り返されるということが冗長で残念だった気がする。

ラストのオチの付け方。
これは難しいが、上手く持って来た。
アート的、というレビューがあったが、まさにそうね。
そのアートの好みが分かれた。ということ。
感性で観るタイプなんで、前衛的なのは苦手💦
2回目鑑賞したら、またレビューが変って付け加えるかも?

追記
自宅を破壊してる時に、私は亡くなった妻の側の気持ちになっていた。キッチンやタンスや写真。
思い出して欲しい大事なものを壊されたことに、胸が痛くなった。そして、妻の父を演じていたクリス・クーパーの悲しい顔を思い浮かべていた。