Eee

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのEeeのレビュー・感想・評価

4.1
Demolition

取り壊し、破壊、打破

芸術的に巧い!映画でした。
メタファーと役者の妙。

周りから見たら完全にサイコだし痛々しいのに、崩壊する自分の感情に寄り添えないジェイク。どう考えても感情移入し難い設定だと思っていても、ふとした瞬間に腑に落ちたり 共感したりする瞬間があるような。
破壊衝動って結構根本的な本能だったりする。

ふいに曇った過去を見詰めるような 分かれ道で立ち止まるようなジェイクの表情が切ない。取り繕った笑顔も悔しいほど良い顔だったり、空気感や微妙な眼の色でここまで演技できる俳優、凄い。年々奥深さが増してゆく気がします。

多少難解ですが 最後まで辛抱強く(?)追いかけていると、割にストンと収まってくれたのが良かった。
この手のオマージュ進行映画は中途半端な回収放棄が多い気がして多少疲れを感じていたので。

挿入歌で印象付ける登場人物のイメージも面白かった。
現実なのか幻想なのか曖昧な線引きや、間に挟まれる奥様の映像は、インセプションのそれと重なるものがあったり、、

突如変わる日常→破壊衝動→解放(つまり打破)
まさに demolition

最後のメリーゴーランドと駆け出すジェイクの清々しい笑顔、微笑みに変わる妻、にやりと笑うクリス(これまたダ・ヴィンチのサライを彷彿とする中性的美少年。素晴らしかった)。
周りをちゃんと“見る”って意外と難しい。

見えて、よかったね。

思いがけず新鮮な面白さを感じる作品でした。