のりちり

ローズの秘密の頁(ページ)ののりちりのレビュー・感想・評価

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映画館鑑賞。

精神がおかしいと40年も精神病院に入れられていたローズ。
なぜ、彼女は40年もの長きにわたり入れられたのだろう。
これだけ、入っていれば、本当の事も、嘘の事も周りだって分からなくなる。

転院することになって、彼女を診ることになった精神科医。
彼女は、ずっと持っていた聖書に本当のことを書き続けた。
それを誰も信じてはくれない。

第2次大戦のとき、アイルランドに育ち、好きだった人は英国で飛行機乗りになった。
ここがもう周りが許せないところだったのだろう。
そして、彼女のことを好きになった神父。
彼女が他国の軍隊に入った男が好きなんて、許せない。
すべてはここから始まった。

彼女は何一つ嘘などついていなかった。
ちゃんと結婚して、子供を産んだ。
子供など殺してもいない。
皆が否定しただけ。
神父だけが本当のことを知っていたが、やはり、彼女のことを許せなかった。
だから、こんなに長い間、本当とも嘘とも分からぬような生活を彼女は強要されたのだ。
あまりに残酷。
少ないながらも、彼女の幸福だった夫との生活。
産んだはずの子ども。
皆、ないものとされていたのだ。

最後に彼がもしかして?の息子が出てきたわけだが、精神病院での彼女の無駄な生活を誰が返してくれるというのか。
宗教家も人であり、自分の欲から逃れられなかった。
なんとか最後、息子に会えるようにはなったけれど。
彼はその後、どうしたのだろう?
死んだとしたら、きっと地獄が彼を待っていたと思いたい。
そこで罪を償い続けてほしい。
のりちり

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