アイルランドを代表する作家としてジム・シェリダン監督が大好きなのだけど、過去作と比べても断トツに重い、暗い、しんどい。けど夜明けの祈りとか、婚約者の友人とか、戦前戦中のくらーいヨーロッパ映画って全然興行的には振るわないんだろうけど、こういうのも見ないとねえって真面目な気分にしてくれるので、ちゃんと買い付けてくれる配給に感謝です。
本人には他意も悪意もないけど、おどおどしながら男を翻弄しちゃって逆恨みされてしまう天然ちゃんローズのキャラクターにはいらいらするところもあるんだけど(愛を綴る女のマリオンくらい好戦的なら逞しくて好きなんだけどね)、ただただマイケルとの純愛に心を掴まれてしまった。
ってマイケルってみたことあるけど誰やねんなと思ったらシングストリートの不憫なお兄ちゃんかよ!!!
この時代に生まれて、男はこう、女はこう、という価値観を押し付けられて生きていた人ってどう思ってたのかな〜、とまだ生きてる人がいたら聞いてみたい。
イコール信条の問題だから疑問にも思わないんだろうか。
オチはちょっとお粗末というか、それでいいの??という気持ちにしかならないけど、ちょっとでも希望を持たせたかったのかな。全体的にメロドラマ感強すぎで、ジム・シェリダンとしては凡庸だけど、見てよかった。