Yukiko

ローズの秘密の頁(ページ)のYukikoのレビュー・感想・評価

4.6
2018年10月14日

『ローズの秘密の頁』 2016年アイルランド制作
監督、ジム・シェリダン。
他の監督作品ではJ・ギレンホールとT・マグワイア
出演の『マイ・ブラザー』が好きだ。

1930年代、ローズ(ルーニー・マーラ)はアイルランドの
叔母の家に住み、お店を手伝っていた。
近くでお店をやっていたマイケルはイギリス兵士として従軍
し、パイロットとして戦争に赴く。
ローズは若く美しく、ゴーント神父や町の男性に人気があり、
それが元でトラブルがあった為に、叔母からお店を辞めさせ
られ、森の中の小屋に一人で住むことになった。
ある日、森の中に飛行機が墜落し、ローズが駆け寄ると、
マイケルが負傷していた。
追っ手から匿い、小屋に二人だけで暮らしていると、次第に
仲良くなり、マイケルが兵士として旅立つ日に二人は結ば
れ、そして教会で牧師のもと、結婚式をする。
だが、二人の仲を知ったゴーント神父やアイルランドに
味方する町の仲間たちから、ローズは強制的に精神病院に
入院をさせられ、マイケルは射殺された。
病院で妊娠を悟ったローズは、出産間際に病院を脱出し、
1942年、5月1日、一人で出産をする。
が、その子供を・・・?

それら過去のことを、グリーン医師(エリック・バナ)と
看護師を相手に転院の為に症状を診察するということで、
ローズ(ヴァネッサ・レッドグレープ)は語ります。


奥が深い映画です。
映画の中でサラッとした流れになっていて、それは何故か
疑問な部分、アイルランドの歴史を知ると、なるほどと
分かるようです。
イギリスとアイルランドが長年争ってきて、どちらの味方か、
この映画ではマイケルがアイルランドに住みながら、
イギリス兵士となったことから、アイルランドの若者達から
拉致される。
宗教の問題、カトリックとプロテスタントという対立もある。

ぐいぐいと引き込まれるような力強さを映画から感じられ
ました。
ただ、後半、それも終わり頃、少しあっけない…
後半こそ大事で、最後まで丁寧にストーリーを進めて欲し
かったように思います。
特に後半で、看護師役の方の度アップを多用し過ぎと
感じました。
看護師がその場のどの位置にいるのか、立ち位置も
分からないまま、度アップで話しは進んでいったような。
この看護師は観客イコール私達を意味したものかしら?

ルーニー・マーラ―さんがとても演技達者です。
ヴァネッサ・レッドグレープさんもすばらしい!!
とても良い映画でした。
アイルランド映画もイギリスやアメリカ映画に負けず劣らず
良い映画を作りますね。
Yukiko

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