Ellie

世界一キライなあなたにのEllieのレビュー・感想・評価

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)
2.8
元々、映画の予告を観て、ずっと観たかった映画だったけど、原作と知らず読みたかったMe before youの映画と知って、先に原作を読んだ。

元々観たかったから、映画も楽しみにしてたけど、予告がよすぎただけだった・・
はたまた、やっぱり原作を先に読んだのがまずかったか。
原作では、あんなに泣いたのに映画では涙ひとつ流れなかったw

ウィルはもっともっと素敵な人なの。
ルーは自分に自信がなくて、守られてるものから足を一歩踏み出すこともできない臆病者で、もっと可能性があるのに目を背けてばかりで、趣味は読書か家でテレビ観るか、もしくは彼氏のマラソンマンのランニングを見つめて過ごすかだけ。
彼女はそれで満足してた。
でも、ウィルがどんどん彼女の殻を破って、可能性を広げていく。そのウィルがすること、言葉がすごく素敵なのに、全然映画は物足りない。

原題は"Me before you"
ネットで著者がこれの意味は"who i was before i met you"だと言ってたと書いていて、やっぱりそう言う意味なんだなって思った。
ルーは、ウィルが事故に会う前の彼の姿。
好きなように生きて、自由があって、無限の可能性を持っている。
ルーにその幸せをウィルは与えてあげたかった。
お互いの目的は違くても、お互いの思いは一緒。
幸せになってほしいってことだけ。
それをお互いに違う意味で与え合って行くとこが素敵だったし、切なかった。

ルーには、1つだけ暗い過去があって、お城の迷路にはトラウマがあった。
2人でお城にお散歩に行くシーンはあるけど、迷路に迷い込んでパニック発作になる大事なシーンが描かれなかったのが一番残念。
ここでウィルは初めて、彼の苦悩を人に、ルーにだけに打ち明ける。
その言葉こそが、1番意味のあるもので、真実だった。
本人をよそに周りは必死に良いところだけを見ようとして陰の部分にはまるで腫れ物に触れるかのように恐れ、どう対処して良いか分からないから向き合おうとしない。
本人の心の悲痛な叫びを誰も聞こうとしない。

ウィルはすごく素敵な人間で、愛される人だったから、最後の結末で(原作では)号泣した。
尊厳死について、どう考えるべきか。
昔、森鴎外の高瀬舟を読んだ時の衝撃を思い出した。
もし自分がウィルなら、ウィルのような選択をするかもしれない。
ウィルは過去の自分を切り離せないくらい自分の人生を愛していて、失うものが多すぎた。
でも、もし自分がルーなら、愛する人の命の期限が決まっていて、そばにいてほしいと言われたら・・愛する人の意思を尊重することができるのかな。
だって、尊厳死という言葉だけど、自殺と同じ。
あたしは愛する人に自ら命を絶って欲しくない。
ただそれは、自分勝手なのだろうか。どっちの立場だったとしても。
痛みや苦しみや絶望から解放されて、自分の人生の終わりは自分で決めたいと思うのは。
答えは出ない。この問題はありとあらゆる感情が入り乱れて、肯定も否定もできない問題。

ルーの考え方や人生の歩み方が自分に似ていてw
ウィルの言葉はすごく刺さった。

あぁ、もっと言えばルーが自分の殻を破った第一歩でタトゥーを入れるシーンが入ってないのが残念だし、食べ物スボンに落としてドライヤーするシーンはあったけど、あそこのウィルのツッコミが面白くて吹いたのに巻きだしw

あとルーのパパ!もっとユーモラスで最高で、大好きなのに、全然描かれてなくて残念。

とにかく、エミリアの眉毛の動きがやたらめったら大げさな上に多すぎて、気になって気になってウザくて萎えたwww

原作はいい。
この映画を観ないで原作を読んでほしい。
Ellie

Ellie