Punisher田中

世界一キライなあなたにのPunisher田中のレビュー・感想・評価

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)
4.5
「君は僕の元気の源だ。」

イギリスのとある街に住むファッション好きのルーはカフェでの仕事をクビになってしまう。
たまたまハローワークで見つけた新しい仕事は、介護の仕事だった。
内容は事故で首から下が不自由になってしまい、車椅子生活を送るウィルを介護するということだったのだが....?
なんとこのウィル、城を所有するほどの財力を持ったとある名家の一人息子であり、事故以来誰に対しても心を閉ざしていたのだった.....
勤務期間は6か月、果たしてルーはウィルを上手く介護できるのか??

割と映画を見てコイツは泣ける泣けると言っているな。と思うかもしれないが、今作でもボロクソに泣けてしまった...。
ただのラブストーリーではなく、自殺幇助等のかなり重いテーマを扱っているため、賛否両論かなりわかれる作品だと思う。
天真爛漫でミスマッチなファッションをするルーとスマートでクラシックなウィルの対極的なキャラがだんだんと心を通わせていくところはどんな作品でも心が暖かくなる。
ルーのミスマッチなファッションがまた面白いんだよね、小さいアクセントにしか使わないようなド派手なカラーの洋服とド派手な模様の洋服を組み合わせていたり。
かなり個性的なんだけども、嫌な感じはしない。配色なども適当と思われがちだが、嫌悪感を感じさせないようなギリギリのラインを攻めた、計算されたファッションだと感じた。


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ここから先の感想はネタバレ、自分の意見等を述べていて結構めんどくさい内容になってるから、嫌な人は閉じたほうがいいかも。

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正直、この作品はかなり当事者の気持ちに寄り添って考えた作品なのでは?と。
健常者は障害を持った故に当事者がどんなことを感じているのか、あまり考えないで接してる部分が多いと考えられた。
とにかく生きることが幸せだとか、こうすることが彼らの幸せだとか勝手に押し付けて上手く取り上げるメディア、それを見て涙を流していた自分が今作を通して情けなく、とても醜く、悔しかった。
どんな人間も幸せの定義なんてものはなくて、自分でしかわからないからこそ今作のラストは説得力があり、込み上げて来るものがあった。
「死」については凄く悲観的な意見も多いし、それについて話したいなんて思う人なんかいないだろうけども。
救いとしての側面も願うものでもあり、人生に関わるとても重要なものだからこそ、もっと話し合ったり、考えなければいけないものなんだと感じた。
たしかに、ルーもウィルも自己中だと言われるかもしれないがそれが最善なら越したことはないと思う。
X AmbassadorsのUnsteadyという最高にいい曲にも出会え、久々に深く考えさせられたので自分としてはかなり良い映画だった。結末も含めて。長々とすいませんでした。
しつこくてごめんなさい、デナーリスじゃないエミリア・クラークさんもいいね😊(厄介おじさん感)